「『多様性』がクロスすることを愉しむプログラムづくり」

小林:今回のプレイベントは「多様」っていうこともに着目してるんだけど、そこでいろんな出会いが起こってくるというか。お客さんの気持ちもすごく作用してくるものだから、みんなが出会うことを楽しみに求めてくれると、いろいろ広がったり、何かを越えていったり、面白いことが生まれてくるんじゃないかって楽しみにしてるんです。時間の流れ方も ap bank fes とは違って、夕方ぐらいに一回ピークはあるんだけど、その後はすごく多様なものをやっていくっていうかね。Bank Bandも全員揃って、というよりも、いろいろと組み合わせをしてみたり、新しい試みを考えているんです。

:かなり尖っていたり、突き抜けてる表現だったり、夜帯の方が合うよね、みたいなものとか。同じステージでセッションするだけではなくて、その人の表現がそのままぶつかってくるみたいなものとか。今までは小林さん、櫻井さんと歌詞を選び、曲を選び、この人とこの曲をこういうふうにやりたいんだっていうストーリーがあり、環境だったり、東北支援だったりメッセージ性にかなり重きを置いていたんですけど、今回はどちらかというと、それぞれアート表現として、ミュージシャンが一人のアーティストとしての表現に、どういうふうに突き抜けていて、どういう魅力があるのか、それをそのままの形で見せられるようなステージ進行だったり。きっちり時間を区切るんじゃなくて、どれぐらいの時間どんなことをやるのかわからないまま突き進んでいるみたいな感じというか、本来、音楽とかアート表現としてのあるべき姿に近いものになっていくステージングができたらいいなって思いますね。

藤原:それは期待しますね。面白そうですね。


小林:2つのステージがあって、そのどっちかのステージで何かをやっていることになるよね。たくさんステージがあるわけじゃないので、そこにいれば見逃すことはことはないし。ある程度タイムテーブルみたいなものは、もちろん伝えていくんだけれど、おそらく多少の揺らぎがある構成になるので。そのへんも楽しみにして参加してほしいなって思うんですね。

:そうですね。

藤原:「音楽がそもそも持っている力」を感じさせたいというような話が、ある時の打合せで小林さんから出てきて、音楽そのものもここでまたReborn=再生していくことを小林さんは考えてるのかなって感じました。単に誰かをサポートするだけじゃなくて、自分たち自身が生きていくことに対してもう一度、違う角度から向きあっていくきっかけの場になるのだとすると会場の空間は、そんなに作り込みすぎてなくて、どこか余白を感じるような場でもよいのかなと考えています。

小林:未来に対しての新しい生き方というか、生きるってことを感じるもろもろの、人だったり、思いだったり、美意識だったり、いろいろなものがここでクロスしていく、出会うってことが起こるといいなって思っています。