「Reborn-Art Walk」フォトレポート 〜DAY1編〜

8月10日(木)〜11日(金)に行われた「Reborn-Art Walk」(第一回目)ツアーの体験レポート! 全行程を写真と一緒に紹介します! まずは旅の第一日目。身体や聴覚、味覚をリセットするところから体験していきました。

◆◆9:30 石巻駅に集合◆◆

JR石巻駅の改札口を出てすぐ、バスロータリーの左側の建物「石巻観光協会 ロマン海遊21」前にある特設受付ブースが集合場所。写真はナビゲーターの成瀬正憲さん。爽やかな笑顔で出迎えてくれます。参加者全員が揃ったところで出発! ここから牡鹿半島までマイクロバスに乗って移動します。

30分ほどで、今回の旅の拠点とも言える荻浜小学校へ到着。

◆◆10:00 オリエンテーション◆◆


荻浜小学校の体育館へ。こちらもReborn-Art Festivalの会場のひとつなので、早速、展示されたアートに目を奪われます。ここで、成瀬さんや参加される講師の方々から、これから二日間のツアーについての、オリエンテーションが行われました。

◆◆10:30 体をめざめさせるワークショップ◆◆


いよいよ一つ目のプログラム、舞踏家の向雲太郎さんによる身体ワークショップに。まずは、旅の始まりとして“自分のいつもの身体をリセットする”ための時間。身体を横たえ、目を瞑って、聴こえてくる音にじっくり耳を傾けてみたり、スローモーションのように動くことで自分の身体の使い方をいつもより意識してみたり……。

身体の感覚が呼び覚まされるようで、なんだかとても気持ち良く、あっという間の2時間でした。

◆◆12:30 触覚をひらくインスタレーション◆◆


次は荻浜小学校の屋上へ移動。アーティスト・大崎晴地さんによる「音を振動に変える空間インスタレーション」を体験します。

非可聴域といって、普段人間の耳では聞き取ることのできない音を振動によって感じ取ることのできるこの作品。今回は、海底の音を拾って素材にしているそう。みなさん、作品の上を歩いたり、寝そべったりして“普段は聞こえない海の底の音”に耳を澄ましていました。

◆◆13:00 昼食・休憩◆◆


昼食のテーマは「ミニマムな食を通じて味覚を研ぎ澄ます」こと。お椀は、焼いた梅干しにお湯をかけたというシンプルなもの。これがびっくりするくらい美味しかったです。

メニューは、「お出汁」、「梅湯」、「全粥」、「ふのりのお味噌汁」。日常生活でここまで味が絞られた食事はなかなかしないかもしれないなと思いつつ、心地よく染み込んでいくようなごはんにとっても満たされました。なるほど、味覚も研ぎ澄まされてきたかもしれない……?

◆◆14:00 鹿のプログラム◆◆


昼食後はマイクロバスにのってまた移動。牡鹿半島の中腹・小積浜にある鹿の解体処理加工施設に向かいます。ここは獣害や山野の荒れが問題となっている牡鹿半島の「鹿」を、猟でとらえ適切に解体処理、食肉として活かすほか、牡鹿半島の生態系を豊かな環境のまま維持し、自然との共存共栄を目指す施設としてオープンしたもの。ここで、食猟師の小野寺望さんと、Reborn-Art Festivalのフード・ディレクターである目黒浩敬シェフのもと、みんなで夕食の支度の開始です。
ここに登場した今夜のメイン食材は、なんと、鹿!!
この鹿は猟のときに弾を撃つ場所がはずれてしまい体に少し損傷が出てしまったため鹿肉として売り物にならなくなってしまったものだそう。十分食べることができるのに、普段は廃棄処理をするしかないそうです。この日は、この鹿をみんなで解体していただくことになりました。

最初はこわごわでしたが、鹿の体の部位や、解体のコツの説明を受けていくうちにみなさん夢中に。最後は手際よく、さばいていました。この作業の間は、小野寺さんから牡鹿半島における獣害の問題や、鹿との向き合い方など、貴重なお話もたくさん伺うことができました。

立派なもも肉。これがこのあとのメイン料理になります。

解体した肉は、目黒シェフが調理。もも肉は味噌を塗り朴葉で包んで炭火焼きに!

◆◆16:00 オプショナルプログラム◆◆

このあとは3つのグループに分かれてそれぞれのプログラムへ。

「(1)刺し網漁」チームは、2日目の朝に予定している「海のプログラム」で体験する刺し網漁の、網を仕掛けにいきます。ベテラン猟師の甲谷さんと土橋さんと一緒に船に乗り、どのように網を仕掛けるのかを見られる貴重な時間。

「(2)アート鑑賞」チームは、Cエリアの牡鹿ビレッジへ。ここでは、デヴィッド・ハモンズ、鈴木康広、ブルース・ナウマン、名和晃平、さわひらき、宮永愛子の7作品を鑑賞できます。この場所が選ばれた経緯や、会期が始まってからの浜の人からの声や反応なども紹介しながら、牡鹿ビレッジをゆっくりと散策しました。

「(3)鹿角クラフト」チームでは、鹿の解体処理施設に残って、小野寺さんと一緒に鹿の角を使ったキーホルダーづくりを体験しました。角のどの部分を選ぶかでまったく違うデザインになっておもしろい! 良いお土産ができました。(こちらのプログラムは、体験料が1500円追加でかかります)

 

◆◆17:30 鹿肉の夕食◆◆

いよいよ「鹿肉の夕食」です。メニューは、鹿のスープ、鹿のパエリア、鹿のスペアリブ、鹿のもも肉を朴葉包みにした炭火焼き……と、まさに鹿づくし! 鹿肉はちゃんとした弾力と歯ごたえはあるけれど決して固くなく、一口噛むごとに味が滲み出てくるようなエネルギッシュな美味しさ。この日は曇りで肌寒いくらいの気温だったのですが、食べているうちに身体の中から温まってくるような熱量のある食事でした! 自分たちで解体した鹿をいただくということもまた、特別な体験でした。


そしてこの日の夕食は手で食べるという体験もしました。食材を直に指で感じ、口に運ぶことで、またいつもと違う味わい方ができたような気がします。

◆◆19:00 ホテル着・入浴・就寝◆◆


夕食が終わったら一日目のプログラムは終了。この日の宿泊場所である「ホテルニューさか井」へとバスで移動します。大浴場で熱いお湯に浸かって一日の疲れがとれたところで、大体夜の21時くらい。でも2日目は朝が早いため、この日は早めに就寝。濃い1日を送ったあとだったので、ぐっすり眠ることができました。

※「ホテルニューさか井」もReborn-Art Festivalのアート展示場所になりますが、今回のツアーは展示時間外になるため、作品をみることはできません。

※8月19日〜20日のツアーでは、14:00〜17:30に荻浜エリアのアート作品を鑑賞します。

 

次ページ、いよいよツアーは2日目へ → → →