「Reborn-Art Festival × ap bank fes 2016」のテーマ曲として、Bank Bandが新曲をつくりました。作詞、作曲を担当した二人がこの曲に込めた思いを語ります。そして、今までの「ap bank fes」とは違う、本イベントのライブのあり方についてまで話が及びました。

「みんなに口ずさんでもらえるような楽曲をイメージして。」

小林:今回の Reborn-Art Festival × ap bank fes 2016 で、できればBank Bandとして1曲やれないかなという思いはあってね。今回のプレイベント、どんな感じになりそうなイメージ持ってる?

櫻井:つま恋に集まっていたような人たちが、東北の街にエールを送りたい気持ちを持って石巻に遠征してくるような、そんなイメージがありますね。

小林:石巻行ったりとか、いろんな旅をしながら、ふとイメージが浮かんで。なんとなくサビのメロディを作って、デモテープを櫻井に聴いてもらったんですけれど、どうだった?

櫻井:まだ歌詞のない状態で聴いた時に、このメロディをお客さんが笑って歌ってる姿が想像できました。ただハッピーに笑って歌うっていうんじゃなくて、紆余曲折して辿り着いた今を肯定しながら、これでいいんだって確認しながらこぼれる笑顔というか。

小林:そんなような思いを持ってほしいと思って作ったところがあったから、ちゃんと伝わっててよかった。「carry on, carry out」という英語から始まるところも最初は意外だったけど、だんだん馴染んできて。僕の中でもこのサビはすごく響いてくることになったんだよね。あえて、ちょっと高らかなイントロが始まって、ずんずんいくみたいな感じのAメロなんだけど、そこの歌詞がすごく、なんかこう、いいんですよね。「錆び付いた空を 赤い目をした僕らが見てた」っていうところから始まるんだけど。

櫻井:ap bank fes で歌うってこともあったから、やっぱり震災があったってことは刻まないといけないなと思った。だからといってリアルすぎる描写も避けたいなって思いました。

小林:あっけらかんとするほど音は強いところに、「錆び付いた」とか「赤い目」とかタフな言葉が入ってくる。タフといっても、腕力が強いタフではなくてね。

櫻井:Bメロの歌詞は、「登り下り」と坂道に例えているんですけれど。Mr.Childrenの歌詞でも、「こういう捉え方があるよ」って、いろんなことに人生を例えることがあるんだけど。被災された方にしか分からないことはあるし、そう思うから軽率に、きれいごとは言えない。同じ気持ちになることはできないけれど、分かりたいと思う。とにかく今を肯定するっていうか、それだけをすごく大事に書きたいなと思ったんです。来年の Reborn-Art Festival の時に、関わってくれる現地の方たちとか、そこに住んでる人たちがこの曲を歌ってくれることをイメージしながら作っていました。