アーティスト、シェフ、ミュージシャン、様々な方々がかかわり合いながら進められいるReborn-Art Festivalも残り1週間となりました。会期中には、東京大学の田口康大さんの研究の一貫として、地元の学校との連携の取り組みも行われていました。荻浜中学校の1年生の総合的な学習の時間の中で、自分の住んでいる地域についてのインタビューを通し、Reborn-Art Festivalのコンセプトでもある「生きる術」を探るプロジェクトです。その成果発表展示が、荻浜小学校内で行われてます。荻小×ARTの展示とともに、是非ご覧ください。
宮城県石巻市荻浜・狐崎浜の対話インタビュー
-「人が生きる術」を探る−
地域にたしかに息づいている「生きる術」はどのように継承され、今後どのように継承されていくのでしょうか。そしてまた、人が生きる術=Reborn-Artとは何なのでしょうか。この教室に展示されているのは、そのことに、「教育」という観点から取り組んだ「授業」の記録と営みです。
授業は今年の8月21、22日の二日間にわたり、石巻市立荻浜中学校にておこなわれました。授業のテーマは、−「人が生きる術」を探る−。学年に一人の生徒が、生きる術とは何かを探るために、親や親戚と「対話インタビュー」をおこないます。
1日目には、地域文化の継承活動を営む山伏の成瀬正憲さんの話を聞き、生きる術についての考えを深めました。2日目は、対話インタビューの実践です。そこでは、一方向的に話を聞き、答えてもらうのではなく、お互いの<対話>をうみだすような場作りを試みました。
この授業は、「生きる術」とは何かを教えたり、伝えたりするようなものではありません。これからの「生きる術」のあり方を考えるきっかけとして、日常会話とは違う<対話>の空間を作っただけの授業です。ただそれだけのシンプルな授業です。そうでありながら、三つの対話インタビュー映像のなかには、とても豊かで、かけがえのない何かがあります。もしかすると、そこにあるものこそが、「人々が生きる術」なのかもしれません。
田口康大