牡鹿半島中部エリアのアートはふたつの長い散歩道を中心に構成されています。
ひとつは山のみち。もうひとつは海辺のみちを楽しむことができます。
またリボーンアート・フェスティバルの2つの食の拠点があるエリアで、牡鹿半島の大きな魅力の一つをたっぷり味わっていただけます。

[路線バス] 石巻駅 10:00 >>> 桃浦 10:43
[リボーンアート・バス (エリアC)] 桃浦 10:49 >>> 荻浜小学校 10:50

まず石巻駅から、このエリアの乗換の拠点である桃浦に向かい、
桃浦でRAバスに乗り換え、荻浜小学校に到着します。

荻浜小学校は現在休校中の小学校です。
ここにはたくさんの作品が展示してあるので、バスの間隔は45分ですが、一本飛ばして、
1時間30分の時間をここで費やしましょう。

まずバスを降りて左手にみえるのがファブリス・イベールの作品「バランスを保つ場所」です。
今回は畑のなかにシーソーのような彫刻作品などを設置しており、
みんなが自由に「バランス」を体験できるインタラクティブな場所になりました。

そして小学校体育館にはパルコキノシタさんの作品「幽霊でもいいから」、
校庭の脇に建つ小屋に中には、同じくパルコキノシタさんの作品「います」があります。
これは会期中もパルコさんがひたすら掘り続け、作り続けている作品です。
地震で亡くなられた方の数だけ木造を掘り続けようとされています。
もしパルコさんに出会えたらいろいろとお話してください。

パルコキノシタ「幽霊でもいいから」
photo by Yukihide Nakano

校庭には金氏徹平さんの作品「ボイルド空想(マテリアルのユーレイ/石巻)」があります。
とけない雪だるまをモチーフに、現実をこえるようなタイムスケールを想像することで着想されたそうです。

休校になっている教室の方では、震災後地元に移り住んだ作家も含め、
地元アーティストの作品が結集しています。震災後の地元を見つめて来た方々なので
思いの深い作品がご覧になれます。

[リボーンアート・バス (エリアC)] 荻浜小学校 12:20 >>> 牡鹿ビレッジ 12:30

ここではゆっくりとこのフェスティバルのメインダイニングである
Reborn-Art DININGで食事をとり、アートも楽しむプランを紹介したいと思います。
バスのインターバルもたっぷり2時間15分とりました。

一点、注意点として、このエリアでもRAバス(リボーンアート・バス)の運行上、
ドライバーが昼休憩をどうしてもとらなければならないため、
インターバルが通常45分のところ、1時間30分になる時間帯があります。
基本的にこの時間は食をとれるところにいていただくよう、ご協力お願いします。
(このエリアでは牡鹿ビレッジにオフィシャルのレストランが2つ、また荻浜小学校、桃浦でも
 簡単な売店を用意しています)

ただし、この時間帯、ワンボックスカー等でこのスタッフが巡回を行なっていますので
お困りの場合などお互いに声を掛け合って、しかるべき場所への移動などをできるだけ
手助けさせていただきたいと思っていますので、なにとぞご協力をお願いいたします。

さて、牡鹿ビレッジのバスを降りると県道の左側に見えるのがインフォメーションセンター。
そして「はまさいさい」とあたらしく作ったトイレがあります。

そして、反対側の海の方に向けて歩いて行くと、いろいろ賛否はありますが、
みなさんもそれぞれが考えていただきたい防潮堤の風景が見えます。
その側にアメリカ現代アート界の巨匠、デイビット・ハモンズのビデオ
インスタレーション「ストリート・パフォーマンス」を見ることができます。
さらに行くとこの牡鹿ビレッジならではの景色と自負していますが、
荻浜の漁師さんの日々の営みが漁船とともに見ることができます。

その営みを横目にしながら、ずっと進んで行くと、いよいよ浜辺につづく小路が見えて来ます。
その入り口にあるのが鈴木康広さんの「ファスナーの船」です。海を走行する船の航跡を
ファスナーが開いているように見立てた船です。

そして小路に入ると、ブルース・ナウマンの音のインスタレーション
「初心者のために(教えられるピアノ)」が聞こえて来ます。
しずかな海の景色と、ピアノの音を楽しみながら、一歩一歩静かな荻浜の湾の風景を進んでいきます。

そして、見えてくるのが浜の入江にそびえ立つ、
リボーンアート・フェスティバルのメインビジュアルといえる
名和晃平さんの「White Deer(Oshika)」です。
牡鹿半島の方々もこの鹿が設置されてから次第にこのお祭りを
自分ごととして捉えるようになっていただくようになったと感じています。
何といっても最高のフォトスポットになるのではないでしょうか。

名和晃平「White Deer(Oshika)」


近くには2つの旧日本軍が作ったと言われる洞窟があり、
そのひとつに宮永さんの作品「海は森からうまれる」があります。
石巻市街地の「旧観慶丸商店」と対になるこの作品は、
カキ養殖のためのブイを使った作品で、海と私たちの暮らしとを静かに語ってくれます。

宮永愛子「海は森からうまれる」
photo by Yukihide Nakano

その隣の洞窟には、ロンドンを拠点にするさわひらきさんの
インスタレーション「燈話」が展示されています。
人手による掘削の痕が厳かにのこる洞窟の中に小屋を作り、
岩肌にうつされる映像と空間を鑑賞する作品です。

さわひらき「燈話」
photo by Yukihide Nakano

そして心からオススメしたい、このフェスのメインダイニングとなる
Reborn-Art DINING(リボーンアート・ダイニング)に到着します。

Reborn-Art DINING

リボーンアート・ダイニングは予約しないでも入れますが、予約がいっぱいで入れないこともありえますので、
事前の予約をおすすめします。(もし予約がいっぱいで入れない時は
「鹿バーガー」をテイクアウトできるように準備しておりますが、その数にも限りが・・・・)

Reborn-Art DINING 鹿バーガー

もし食事がなかった場合は、、浜辺の小路をまた歩いて戻って、
「はまさいさい」にてお食事をするのもいいかもしれません。
「はまさいさい」はリボーンアート・ダイニングよりも
よりカジュアルな食堂というイメージで、浜のおかあさんたちが
受け継いで来た家庭料理をベースに、きちんと手間暇をかけて素材と向き合ったお料理を提供しています。

「はまさいさい」

牡鹿ビレッジ

***牡鹿ビレッジ(Reborn-Art DINING/「はまさいさい」)についてはこちらから
 

[リボーンアート・バス (エリアC)] 牡鹿ビレッジ 14:45 >>> 旧桃浦小学校 15:00

牡鹿ビレッジからバスで15分、もう一つの散歩道、山の小路のある旧桃浦小学校に向かいます。
ここはリボーンアート・フェスティバルの中でももっとも長くハードな散歩道かもしれません。
(歩きやすい靴でぜひ来て下さい。)
ここもゆっくりと楽しんでもらうため、バスは一本とばして、95分のインターバルを使います。

バスから降りて、森の中に入っていきます。森の中の道では
またブルース・ナウマンのもうひとつの音のインスタレーション「子どもたちのために」が静かにながれています。
しばらく歩くと、ひらけた場所に出ます。ここは数十年前に廃校になった旧桃浦小学校跡地です。
ここに鈴木康広さんの作品とコンタクトゴンゾの作品があります。
そして、そこからさらに降りて行くと浪田浜があり、ここに青木陵子さん、伊藤存さんの
インスタレーション「浜と手と脳」があります。これらの作品の詳しい説明は控えますが、、
このフェスティバルの大きな見所といえる、自然とアートが一体となった異空間になりました。
みなさんの五感すべてをつかって楽しんでください。

鈴木康広「記憶のルーペ」
photo by Yukihide Nakano

コンタクトゴンゾ

青木陵子+伊藤存「浜と手と脳」
photo by Yukihide Nakano

[リボーンアート・バス (エリアC)] 旧桃浦小学校 16:35 >>> 桃浦 16:39
[路線バス] 桃浦 17:00 >>> 石巻駅 17:37

ここでは21分の路線バスへの乗り換え時間しかありません。
チンポムの作品「ひとかけら」とギャレス・ムーアの「門」シリーズを急いで見ましょう。
「ひとかけら」は震災後のいろいろな種類の涙の氷結晶を地下空間に展示している作品です。
牡鹿半島でひろったものをベースに作られた「門」シリーズは3つのうち2つがこの桃浦に展示されています。

ギャレス・ムーアの「門」
photo by Yukihide Nakano

17:00に桃浦からバスに乗って、17:37に石巻駅につきます。
これで牡鹿半島中部エリアの全作品を見たことになります。

 

***全体エリアマップはこちらから
***バスの時刻表はこちらから